画廊若林’s blog

画廊若林は名古屋市東区葵にある画廊です。 展覧会やアート情報について紹介しています。

田中佐知男 絵画展 2017

本日6月3日(土)よりスタートしました「田中佐知男 絵画展」
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愛知県一宮市出身、広島在住の画家です。
広島を拠点に、名古屋・東京・松山(愛媛)・岩国(山口)等で個展を開催し、活動しています。

画廊若林では、4度目の個展です。
今までは、10月秋に開催していましたが、今年は6月初夏の時期になりました。
季節を変えると、新鮮な感じがして、それもまた良いですね。
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今回は、広島の御手洗(みたらい)を中心としてた海景画、海や水面の作品が多いです。
暑くなってきた季節に、涼やかな気分になり、心地よい。
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モチーフは変わっても作品の核(テーマ)となるのは、「映り行く光」
絵画平面の中に深遠な奥行と目映い光、できれば時間のうつろいまでも
描きたいと願いながら、制作されています。

今回のDMに使われた作品、「潮騒しおさい)」
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この作品について田中さんに解説をいただきました。

呉市大崎下島にある御手洗(みたらい)という風光明媚な港町での風景です。
海の波や光の表現は油絵の具の透明性を利用して、パレットであまり混色せずに、何層にも薄く重ねています。
筆は極細でしなやかな広島の「熊野筆」を愛用しています。
キラキラしたハイライトの部分は鋭利なパレットナイフで絵具をピンポイントで盛り上げてます。
少々気の遠くなる作業です。
よく見ると実際にはありそうにない色を所々にのせていますが、それによって「人の視線を動かし」、波のように揺れ動いた感覚にならないかな?と狙っています。」

画像だとちょっと見にくいかもしれませんが、作品の表面は絵具の凹凸があり、それもまた水面の揺らぎのようで不思議な感覚になります。

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作品で表現しているもの、創作のテーマ、そして、なぜそのテーマに取り組んでいるのかを教えていただきました!

「映り行く光」を常に意識していますが、もっと大きく抽象的に言うならば、「形なきもの、色で表現できないもの」を描いてみたいと奮闘しています。
いわゆる「キラキラ輝く光」だけでなく、その場の空気感や香りまでも描ければ!と。

「なぜ?」と聞かれると言葉が詰まりますが、物故作家でいえば「ターナー」や「長谷川等伯」のような大気までも描く作家に憧れてます。
そもそも(本来)私が画家を目指したきっかけはパリで観たモディリアーニの人物画です。
作品から直接的な光を感じたわけではありませんが、ずっと封印していた「画家になりたい」という幼いころからの「内なる光(想い)」が一瞬にして解放されました。」

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最後に今回の個展の見どころ、新たな取り組みについて、田中さんから一言。

「とにかく気に入った作品が1枚でもありましたら、ぼーっとのんびり眺めて下さい。
さざなみの音や潮の香りがしてくるかも?
これからも、もっともっと人が、イヤ、自分自身が感動するような作品を目指します。」

6月18日(日)まで開催しています。
ぜひ、ご来場ください!
g-wakabayashi.com