画廊若林’s blog

画廊若林は名古屋市東区葵にある画廊です。 展覧会やアート情報について紹介しています。

愛知県美術館 「クリムト 黄金の騎士をめぐる物語」 2012/12/21~2013/2/11

昨日12/21(金)から始まった愛知芸術文化センターの「生誕150年記念 クリムト 黄金の騎士をめぐる物語」の開会式に行ってきました。

■  公式サイト:http://event.chunichi.co.jp/klimt/

地下鉄「栄」駅から、徒歩3分。
市バスや名鉄電車の駅からも徒歩2分ほどでとても便利な場所にあります。
オアシス21から地下連絡通路または二階連絡橋が直結しています。

会期は、2012年12月21日~2013年2月11日です。
※基本的に月曜日が休館日ですが、年末年始の休館もあるので、詳しくはHPでご確認ください。


今回の「生誕150年記念 クリムト 黄金の騎士をめぐる物語」は、愛知県美術館が所蔵する「人生は戦いなり(黄金の騎士)」はもちろん、国内外のコレクションによるクリムトの油彩画約10点、素描約30点を中心に展示されています。

その他にも、エッジングリトグラフ、ポスターなどの絵や、クリムトが初代会長を務めたウィーン分離派の画家たちの作品なども見ることができて楽しめました。

グスタフ・クリムト(Gustav Klimt - 1862~1918)、前世紀末のウィーンを代表する画家です。

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独特の甘美で装飾的なスタイルは、今もなお多くの人を魅了し続けています。


個人的にクリムトと聞いて思い出すのは、「接吻」

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ただ甘美でロマンティックなだけではなく、切なさや儚さみたいなものを感じさせる表現力は、やはり天才だと思う。
すくめた肩や、手にも表情があって素晴らしい。
今回の展覧会には、この作品はありませんでしたが。。

2008年に放送されたNHK大河ドラマ篤姫」のオープニングにも、その甘美で煌びやかなクリムトの画風がモチーフとしてされていましたね。
ちょうどクリムトが生まれたのが、幕末(明治は1868年~)なので、関連付けたのでしょうか。

クリムト自体、当時ウィーンで流行していたジャポニスムの影響によるとも考えられる、空白を大胆に使った構図を用いていたりするので、面白いですね。
展示作品の中にもあります。
《第1回ウィーン分離派展ポスター》

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探してみてください。

金箔を使った技法も、「琳派」の影響を指摘されていますが、どうなんでしょう。
もしそうだったら、面白いですね。
芸術に国境はなく、ただ、互いに影響し、影響され、変化していく。
面白い!


脱線しましたが、展覧会は3つのテーマによって構成されていました。

「Ⅰ 闘いへのプレリュードーウィーン工芸美術学校から分離派結成へ」

「Ⅱ 黄金の騎士をめぐる物語ーウィーン大学講堂の天井画にまつわるスキャンダルから《黄金の騎士》誕生へ」

「Ⅲ 勝利のノクターンークンストシャウ開催から新たなる様式の確立へ」


今回の展覧会は、愛知県美術館の開館20周年を記念した開催されたこともあり、所蔵作品の「人生は戦いなり(黄金の騎士)」中心としたテーマも、第二部で扱われています。

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鎧や兜なんかも展示されていて、興味深かったです。

その「黄金の騎士をめぐる物語」については、実際に会場にて、じっくりどうぞ!

関連の作家として、カンディンスキーやココシュカなどの作品も展示されていて、見応えがありました。

個人差はあるかと思いますが、私はなんだかんだ1時間半ほどでまわれました。

2013年2月11日まで開催しています

その後は、長崎、宇都宮に巡回するようです。
詳しくは、HPで確認ください。