画廊若林’s blog

画廊若林は名古屋市東区葵にある画廊です。 展覧会やアート情報について紹介しています。

「デュフォ恭子展」

9月5日(土)~13日(日)で開催中の

「デュフォ恭子展」

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 名古屋での個展は今回初めての作家さんです。

フランス、パリに在住で、絵本や書籍の挿絵を手掛けながら、パリ、ミラノ、東京で定期的に個展を展開されています。

初の名古屋開催が、画廊若林でというのは嬉しいです^^

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作家、デュフォ恭子さんは名古屋出身。

青年海外協力隊員として、カンボジア教育省青年総局に2年間勤務し、その後パリの美術学校アカデミージュリアンで絵画を学ばれています。

結婚後に旦那さんの駐在で、西アフリカに6年滞在した経験から、アフリカの風景や動物を作品のモチーフとすることが多いです。

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明るく優しい色彩で描かれた作品は、どこか懐かしい情調を感じさせます。

 

絵本などの挿絵の他にも、中央公論新社から出版されている月刊 小説誌「アンデル 小さな文芸誌」の表紙絵を手掛けていますよ!

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今回、9月5日の初日にオープニングレセプションを開催しました。

いろんな意味でドキドキでしたが、終始、和やかな雰囲気で良かったです^^

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アニメーション作品も手掛けていて、会場でご本人の説明付きでご覧いただけます。

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アニメーション作品のみなら、デュフォさんのホームページで見ることもできますよ。

Motionをクリックです!

www.dufauxkyoko.com

9月13日(日)まで開催しています!

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ぜひ、ご高覧くださいませ!

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「建部弥希展 -日々のキオク-」

7月18日(土)~7月26日(日)で開催の

「建部弥希展 -日々のキオク-」

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画廊若林では、初めての作家さんです。

ちなみに、抽象画の展覧会は当画廊、初です!

以前から親交のある作家さんなのですが、今年ついに展覧会が実現しました。

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 作家、建部弥希さんは、1979年に愛知県名古屋市で生まれ、2004年愛知県立芸術大学大学院  美術研究科油絵専攻を修了。

現在は、東京、名古屋、大阪を主として個展を展開し、国内外の展覧会に参加するなど、幅広く活動されています。

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時の流れを大きなテーマに、雲や水面、陽だまりといった自然現象や風景、また砂時計などをモチーフにし、カラフルな色彩で抽象的な作品を描いています。

主にキャンバスに油絵具を使用、一部水彩アルキド樹脂絵具も併用し、平面的でシンプルな形ですが、色の深みなど独特な表情のある画面に仕上げているそうです。

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名古屋では約6年ぶりの個展となります。

100号の新作をはじめ、新作旧作を含めた60~70点を展示しています。

 

今回、チャリティー作品として、小さなドローイングを販売しています。

売上げの50%は、ネパール地震被災地へ義援金として寄付します!

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建部さんのアート活動を共にしている友人に、ネパールからの留学生がいて、この夏に一時帰国し、復興支援をされるそうです。

義援金は現地での食糧支援や住宅用のトタン板購入に使われます。

 

今回の個展では、70点近くの作品が展示されているので、個々の作品の連動や、新旧作品の移り変わりの過程を感じられたりして、面白いです。

私自身、一つ一つの作品を見ていた時よりも、建部さんの作品に対する見方や感じ方が変わったように思います。

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是非、ご高覧くださいませ!

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愛知県美術館 「生誕110年 片岡球子展」 2015/6/12~7/26

6月12日(金)から始まった「生誕110年 片岡球子展」に行ってきました。

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■ 公式サイト

tamako2015.exhn.jp

 開催場所の愛知芸術文化センターは地下鉄「栄」駅から、徒歩3分。
市バスや 名鉄電車の駅からも、徒歩2分ほどで とても便利な場所にあります。
オアシス21から地下連絡通路、または二階に連絡橋が直結しています。

会期は、2015年6月12日(金)~7月26日(日)です。
※基本的に月曜日が休館日ですが、連休も挟みますので、詳しくはHPでご確認ください。

 

日本画家、片岡球子(1905~2008)

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鮮烈な色彩、大胆にデフォルメされた形、力強い筆使い。

独自の画法は、戦後の日本美術院において他の作家の追随を許しませんでした。

 

 今回の片岡球子展」では、代表作約60点のほか、スケッチ、資料類 約40点もあわせて展示されています。

 

個人的には、迫力ある富士山のイメージがとても強かったので、たくさんの人物画や草花などの作品も見られて嬉しかったです。

 

会場内は、第一章から第四章に分けられて展示されています。

 

「第一章 個性との戦い ― 初期作品」

 

「第二章 対象の観察と個性の発露 ― 身近な人物、風景」

 

「第三章 羽ばたく想像の翼 ― 物語、歴史上の人物」

 

「第四章 絵画制作の根本への挑戦 ― 裸婦」

 

 第一章では、おだやかな色彩、おとなしい筆線によって、対象の形態を忠実に把握しようとした初期の作品が展示されています。

力強い造形や鮮やかな色彩の作品のイメージが強いので、新鮮な感じがしました。

 

この頃の球子さん、展覧会への入選に落ち続け、自らを

「落選の神様」

と称したほどだったそうです。

 

《祈祷の僧》1942という作品が好きでした。

モデルをお願いした行者に、

 

「寒の入りから二十一日間、二足四足(鶏と獣肉)を絶ち、朝は卵一個、昼夜は菜食。

 夜中の正二時に水行を続けたら、モデルになってやろう。」

 

と言われた、球子さん。

やり遂げたそうです!

根性ですね~。

 

表情にこの人物が放つ気迫や個性が表れていて、なんとも目を惹く作品です。

苦労のかいあって、「大観賞」を受賞したそうです。

 

 第二章、この辺りから本格的に個性、爆発です!

大胆な形態の把握、鮮やかな色彩の使用によって個性的な画風を確立したのです。

 

草花や海、山、有名な富士山をモチーフにした作品が展示されています。

《富士に献花》1990

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個人的には、火山をモチーフにした作品に惹かれました。

強い色彩で荒々しい絵具の質感が、エネルギッシュで山が秘めるパワーを感じました!

 

実際に球子さん、1960年頃から日本全国の火山を取材して回り、実際に登ったりもしたそうです。

球子さん、エネルギッシュ!

 

第三章では、自分で目にしたものではなく、歴史上の人物や、歌舞伎や能、舞楽を題材にした作品に描かれる人物をモチーフにしています。

 

《幻想》1961

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雅楽を取り上げた作品で、舞曲「蘭陸王」と「環城楽」の舞人が同じ空間に構成されています。

《幻想》の題が示すように、実際にはありえない共演だそうですが、物凄く迫力がありました!

 

チラシの《面構 足利尊氏1966から始まる、〈面構え〉のシリーズもこの第三章に展示されています。

 

第四章は、裸婦です。

 78歳にして球子さん、裸婦という新たなテーマに取り組み始めました。

 生涯現役、学び続ける姿勢に感服です。

 

これまでの作品のような鮮やかな色彩や、大胆な造形は見られません。

体の微妙なラインが線描と彩色で注意深く表されています。

 

「生誕110年 片岡球子展」、7月26日(日)まで、愛知県美術館で開催中です。

 

 

パワフルといえば、こちらの映画を合わせて観るのお勧めです!

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年齢を重ねながら、自分のスタイルを確立した カラフルでパワフルなマダムたちのドキュメンタリー。

生涯現役!